はざ架けは本当にいいのか疑問?

よく現代農法と比較されて江戸・明治・大正時代の農法がいわゆる自然農法で
その方がよいという話を聞くがいささか疑問である。


まず第1点目
昔は稲藁がとても大事でいろんなものに使われていたことから稲刈り後の
稲藁はほぼ全て田んぼから取りだされて還元されることなかった。
とすると田んぼの地力は徐々に落ちていったのではないか。

それを補うために山林の下草やハゴ掻きをしてそれを田んぼに入れたり
大事な牛や豚、馬などの糞と藁を混ぜてたい肥を作って田んぼに混ぜていた。
大変過酷な重労働であった。

これは微生物群の大事な餌である稲藁が無いので微生物は繁殖できない状態である。
さらに堆肥もそもそも完熟堆肥は微生物が食べた後の食べカスのことであるから
これを田んぼに入れても微生物は増えない。しかし肥料としては有効なので
稲は有肥栽培の傾向を示して生長する。

これは例えば畦に偶然落ちた籾が自然と生えたような自然栽培の稲とは生長曲線が
異なるものである。




第2点目
よくはざ架けをして自然に乾燥させるととても美味しくなるという。
これも全くの迷信であると思う。
田んぼの中で立毛しているとき刈り遅れになると胴割れが起る。
これは穂は雨や風で湿ったり乾いたりを繰り返しているが枝便が生きている時は
それも障害とはならないが刈り遅れると枝便は枯れているので水分の調節を茎から
籾にできなくなってしまう。それで過乾燥ぎみとなり胴割れが発生する。

はざ架け同様と思う。稲を刈り取ってはざ架けにして風で乾燥させれば
いかにも自然風で美味しいと思われるがどうだろう?
先の刈り遅れのように刈り取ったら籾に水分調節の機能はなくなるので
1ヶ月もはざ架けをしていたらその間に雨で湿ったり、風で乾燥したりして
何度も乾湿が繰り返されてそのうち劣化していくのではないか。
昔は乾燥機がなかったのではざ架けをするしかなかったやり方です。
今は乾燥機があるので刈り取り直後から循環乾燥してほぼ全ての粒を
均一に水分値16%にできる。

はざ架けの場合はある程度乾燥させたのち脱穀して今度は天日に干して
いる。この方法で全ての粒の水分値を16%にすることは不可能です。

水分の多いところと少ないところが出てきますから炊飯の時に斑状態に
なると思います。

それとはざ架けをすると逆さまにかけるので刈り取った茎の養分が下の籾に
充填されてという話もよく聞くが全くの迷信だと思う。
刈り取られた茎の中はとても細い管になっているがその中では毛細管現象が
起こっているので細い管を養分が下りていくことはない。



今は機械があるので格段に乾燥も早く均一化できる。
じい様に聞いたが昔は天日干しで乾燥終了を確認するのに籾をかじったとか
その時の割れ方で判断したんですね。なんともアバウトです。
当時の米の水分値は12%から17%くらいまでバラバラだったと思います。


そんなことを思ってしまった。


今は便利な機械があるので有効に活用していきたいと思っている。



最近の記事