種籾の選別順序
1 田んぼで立毛中に完全登熟を見極めてコンバインで刈り取ります。
(刈り取り適期はたった1週間ほどしかありませんから
登熟の見極めはとても大事です。
大規模になればなるほど適期刈り取りが出来ません。
つまり早めに刈り始め、刈り終わりには刈り遅れに
なってしまいますね。)
田んぼの周囲から順に刈り取るので最後は中央付近が残ります。
この中央付近を刈り取る時コンバインの回転速度を落として刈ります。
籾搬送機に移してからハウス内のプールへ排出して数日間天日干し。
2 カワシマの「だつぼー君」で1次選別を行う。
3 比重1.17で塩水選を行う。
4 網目3ミリの篩で選別を行う。
5 目視選別を行って種籾確保!
という具合ですね。5段階も手順を踏んでいるんですがなかなか
ここまでする農家はないと思います。
また温湯消毒をした後、直ちに浸種をするのですがこれも
保冷庫内の温度を10度以下に設定してその中に種籾を浸けた桶を
置きます。約30日間浸けます。
普通は水温15度くらいの水に1週間ほど浸けると積算温度が100度程度に
なるので発芽準備が整うのですが、わが家は水温10度以下の水に30日間ほど
浸けます。水温が10度以下の場合は積算温度を計算しなくてもいいので
長期間浸種できるのです。
長期間浸けるとなにがいいのかというと、籾には発芽抑制物質というものが
存在していてすぐには発芽しないようになってます。
しかし水に溶けるので長期間浸けることにより発芽抑制物質は溶けだして
しまい全ての籾の発芽準備が整うのですね。
1週間くらいの浸種では中には完全に発芽抑制物質が溶け出していない籾が
あるかもしれませんね。
これも100%発芽を目指している為なのですね。
米つくりにはいろいろ準備作業が必要ですが
米つくりの肝は
「いかに健全な良い種籾を選ぶか」
ということにつきると思います。
やっぱり良い種籾からは良い稲が育ちますからね。
厳しく何度も何度も各選別を繰り返して少しでも質の良い
種籾を選んでます。
それもこれも全ては安全安心な米つくりに結実するのですね。